香水瓶の底

細かいことは気にしない、香水ブログ

ラルチザン アムールノクターン - L'Artisan Parfumeur Amour Nocturne

 

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(picture via. fragrantica.com)

 

え、今更?という感じでしかないが、最近ラルチザンのExplosions d'Emotions(2013)コレクションのいくつかをデキャントで安く手に入れたので密かに楽しんでいる。

2016年のブランドリニューアルで大半が廃盤になったうえ残った2つも去年だかに生産中止になったはず、よって既に入手困難。もうレビューというよりただの備忘録。

 

 

 

 

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L'Artisan Parfumeur - Amour Nocturne

 

リリース:2013年

調香師:Bertand Duchaufour

ノート:シダー、ミルク、キャラメル、ガンパウダー、オーキッド

 

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The intimacy of the night - 夜に深まる二人の親密さ、といったテーマらしい。

 

トップはお香、むしろお線香寄り?

インセンシーな香り+ガンパウダーで何か儀式でも始まるのか?な雰囲気。

シダーのウッディさも出てくるがまだほっと落ち着くような木の香りではない。

バケーションでリラックスしようとカップルで田舎のログハウス的宿を借りてみたものの、立ち入った瞬間慣れない木の香りにつつまれて不思議とくつろげない、みたいな。(何?)

 

そこから移行して焦げたような甘いウッド。

わりかし新しいフローリングと暖炉、焚き火の香り。

これがゆったりと続く…かと思えば

体温で香りが立ち上りうっとりとした甘さがどんどんと強まっていく。

これは自分の話だがつけて30分くらいの時点でソファでうっかりウトウトしてしまい、目覚めた時には自分の体温であたためられて香りが物凄く拡散されていた。自分の周りの空気が熱を帯びているかのようにさえ感じられた、とても印象的なミドルノート。

 

どこまでも続くかのような暖かい焚き木の香りがピークに達したら、

ひたすらに広がり続けていた香りは留まり

それは甘くてクリーミーなキャラメルに姿を変える。

パチパチと静かに燃える暖炉の火をバックグラウンドにふんわりとした甘さが辺りを包む。

 

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 Infinite tenderness becomes ecstasy 

- オフィシャルのDescriptionにあったキャッチコピー

「果てのない柔らかさがエクスタシーに変わる」

まさに二人の親密さが深まる冬の夜。

既に親密な仲にふたりの愛がさらに深く深くなっていく様子が綺麗に表現されている。

 とくに熱をおびたウッディさがふと甘くなる瞬間がなんとも美しい。

 

これは本当に人によって違いそうだが、

自分の肌だとラストが唐突にスッキリした冷たいミルクの香りでなんだか拍子抜けしてしまった(笑)

もっとキャラメルの甘みや温かみが残るラストになると思いきや

ウッディもスウィートもどこかに飛んで行って、

残ったのが奥に少し青臭さのある牛乳。

おそらくグリーン的なのはオーキッドなんだろうけれどフィグのようにも思える香り。

急にスッキリして冷たい印象になったので

「あれっ?昨夜の出来事は夢だったの??」とでも言わんばかりにせかせかしているというか余韻に浸る余裕が全く無い。

トップ〜ミドルがとても印象的だったために、最後あっけな!と思ってしまったがそういう話はあんまり聞かないのでやっぱり人によって香り方がガラリと変わるのかもしれない。

 

オーバーオール、とても美しい香り。

フェミニンな印象だったけれど男性にも似合うと思う。

体温の高めな男性が2プッシュくらいだけウエストラインなんかにつけてたら近づいた時にとんでもなくざわざわする香りになりそうだな。

 

 

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得意げにつらつらと書いてはいるものの、

自分の香水好き歴はまだ浅くてニッチパフューマリー、メゾンフレグランスというものの存在を知ったのもちょうどラルチザンリニューアル直後くらい…

ラルチザンのラインナップはストーリー性があって楽しいし、このブランドから香水沼にハマっていったという声をよく聞くのにも頷けます。一方でリニューアル前はもうちょっとコンセプトがポエティックだったとか、今はファンタジー感が薄れてしまって寂しいなどというのも聞くので、もっと早くからラルチザン知ってたらな、とも思うのですがそれでも素敵なブランドに出会えたことに感謝。もっと色々香水の世界を探求していきたい初心者です。