香水瓶の底

細かいことは気にしない、香水ブログ

ルーム・テン・フィフティーン チェリーパンク Room 1015 Cherry Punk

 

 

自分の中でチェリー香水ブームが来ています。

 

今日は、アメリカの某香水サブスクで入手してから時折使っている

Room 1015(ルーム・テン・フィフティーン)からCherry Punk。

 

ロック好きには馴染み深い「1015室」の名は、やはりキース・リチャーズが窓からテレビをぶん投げた、ライアット・ハウスから来ている。

薬剤師として軍に従事した後ロンドンに渡り音楽に携わった、ロックと自由を愛するマイケル・パルトゥシュが2015年に立ち上げたフレグランスハウスだ。

個人的な肌感覚としては、人々が話題にし始めたのが2019年くらいのイメージだったので、実際よりもっと後に創立されたものかと思い込んでいた。

 

Room 1015 - Cherry Punk

リリース:2020年

調香師:Jerome Epinette

 

トップ:チェリー、サフラン花椒

ミドル:バイオレット、ジャスミンアブソリュー、ミモザ

ラスト:パチョリ、トンカビーン、レザー

 

午前10時45分 - あの子はいつも遅れてやって来る。 チェリーコーラとポートワインのミックス…尖ったミモザを啜り、アーミー・ブーツがヴィヴィアン・ウエストウッド -キングスロード店のドアを開ける。彼女がパンクなペンキまみれのレザージャケットを着て、新しいレコードを手に街をうろつくのを一目見るために、きみは一時間だって待つだろう。空想に耽る、 あの口紅がきみの肌を焼き, ジャスミンの花のような白いブラウスのフリルは、ロマンスを仄めかす...でも決して勘違いしないで。 - この “SEX” (ヴィヴィアン・ウエストウッドマルコム・マクラーレンによって建てられた店)は反逆者のためのものかもしれないけれど、それでも売ってはくれるんだ. 「ピストルは7ポンドになります、コインはご遠慮ください」 ゴッド・セイブ・ザ・クイーン。

(公式サイトより)

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トップで弾けるひたすらに瑞々しく甘酸っぱいチェリー。

同時に重たいレザーがしっかりと香る。

これがアニマリック - 獣臭い革というよりかは、

デザイナーブランドのレザージャケットや、ドクターマーチンのような……

手の入ったなめらかで黒いレザー素材のイメージ。

重いことは重いのだが、このタイプのレザーなら思いの外いけちゃうかも、という人も居そうなので、レザーノートというだけで敬遠せずに試してみて欲しい。

 

香りは分かりやすく言うと大きく三つの構成で

フルーティ→レザー→ムスク

という印象

ラストでは柔らかく甘いムスクが広がる。そんなに複雑な香りではないと思う。それぞれが各々のパートを演奏していて、交じり合って一つに合流するタイプの香り方ではない。

どこかByredoのBlack Saffronを彷彿とさせる香りだ、Cherry PunkはチェリーでBlack Saffronはベリー系という違いはあるけれども。

ベリーやチェリー等の甘酸っぱいフルーツ+ムスクの構成はラストが堪らなく良い香りのものが多く、ハズレが少ない気がする(主観です)

 

また、同じチェリー×レザーの組み合わせで

ゲランの"La Petite Noire Black Perfecto"があるが、こちらはローズとリコリスが色濃く出てレザーの厚みはあまり感じられないので、完全に別ディレクションの香りと思って良い。

 

Room 1015のフレグランスは概ねユニセックスで特定のジェンダーを感じさせないものが多い。

しかし、このCherry Punkは少しフェミニンに寄る要素も感じられる。

 

初めてこの香りを嗅いだ時にキャプチャーしたのは

「鋲を沢山打ったライダースを着ている真っ赤なリップグロスをした女の子」

だった。

 

I kissed  a girl and I liked it, the taste of her cherry ChapStick

(女の子にキスをしてみたら、気に入った あの子のチェリーのリップクリームの味)

- "I kissed a girl" by Katy Perry 

 

重いライダースに、ゴツいブーツのレザーの香り、

そこに甘いチェリーの香り付きのリップグロスが混ざった……

そんなイメージからパンクに傾倒した女の子を思い描いたのだが、

使っていくうちにこれは「リップに使われる甘い香料のチェリー」よりも

「弾けるような、甘酸っぱいリアリスティックなチェリー」だと感じるようになった。

どちらかというとパンキッシュな女の子を描いているというよりかは、反抗心、パンク、不満、革命、溢れるヘヴィーな力と、そのシーンで生まれるとめどない情熱をはらむ若い恋心、みたいな……そういう広いパッションみたいなものが描かれているのかな、と考えている。

もちろん、赤いリップをしたパンクな女性にはピッタリだと思うし、男性がつけたらグルーピーをはべらせてるロッカーみたいな格好良さもある、またその他の性別でも最高に真っすぐな自己主張と色っぽさを兼ね備えた、尖った魅力になるはず。

 

余談だが、Room 1015のオフィシャルサイトではフレグランスを「聴く」ことが出来る。それぞれの香りを象徴したミュージックが解説とともに流れる。

ので、音楽好きな方で好きな香りが分からない方は自分の音楽性に委ねてフレグランスを決めてみても面白いんじゃないだろうか。

 

日本でも取り扱いあるので、自分ももっと色々試してみたいですね。

迷っている方、Cherry Punkは持ってても損は無いと思いますよ。