香水瓶の底

細かいことは気にしない、香水ブログ

Zara Cherry Smoothie と新コレクションの話

前回の記事に引き続きチェリーの香りです。

 

caffeineandperfume.hatenablog.com

 

先日、久方ぶりにZARAの店舗で香水を試してきたのですが……

驚愕。

こんなに良いものが沢山出ているのかと。

ZARAは元より低価格で良質なフレグランスを大量にリリースしているのでよく話題に上っていましたが、「確かに値段にしては高いクオリティだけれど、手に取りたいとまではいかないかな」というのが正直な感想でした。

今回一通りムエットで試してみて、これは欲しい!というものが幾つもあり…お値段もリーズナブルなのでつい沢山買ってしまいそうなのを抑えて、チェリースムージー EDP 30mlを購入しました。

 

(via. https://www.zara.com/jp/)

 

リリース:2023年

調香師:不明

 

ノート:ヘリオトロープ、チェリー、サンザシ、アーモンド

 

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真っ赤な砂糖漬けチェリーを体現したようなフレグランス。

咳止めシロップのようなツンツンした甘さと

プラムの皮に近いところの果肉を頬張ったような酸っぱさ。

好きな人にはたまらない。

決してジューシーでリアリスティックなトップではないので、

人工的なチェリーがダメな人にはお勧めしない、ここで一発アウトを食らいそうだから……

 

鼻腔を刺激する酸っぱさはそのままに

ゆっくりバニラ系のクリーミーさも前面に出てきて、

杏仁豆腐のような甘さに落ち着く。

肌の近い距離でスプレーすればチェリーの香りをしっかり8時間程楽しめる。

 

このCherry Smoothieはことし発売した"Chapter 6"というコレクションの内の一つなのだが、それより前にもCherry Smoothieは存在していたのを記憶している。

リニューアルと同時にリフォーミュレイトされたのか、それともボトルとサイズ展開が変わっただけなのか。ただ、このシリーズのオンブレボトルはとても奇麗なので飾っても楽しい。

 

さて、このフレグランスはよくトム・フォードのロストチェリーと比較される。

ロストチェリーの大ファンだが、正直なところ「もうチェリースムージーでいいんじゃない…?」と思ってしまう節がある。

TF Lost Cherryはジューシーなチェリーに酔わせるようなアーモンド、甘く広がる別格のバニラが香るので流石に同じとはいかないが、ノートが描く方向性はほとんど同じだ。

個人的に差を強く感じるのはミドル~ラストのバニラ/トンカビーンの甘さがふんわり広がるところ。Zara Cherry Smoothieの甘さも決して悪くはないけれど、「おいしそうでウットリする」心地よい香りではないかな、と。胸や手首などの香りが自分で感じやすい場所につけていると、少しチープさが目立つ。その辺りのグルマンノートにこだわりを持っている人は、思い切ってロストチェリーを買っても損はしないはず。

 

なんたって価格差10倍ですから……この系統の香りを試してみたい人にはCherry Smoothie、オススメ。

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話題を変えて、先週リリースされたZARA Womens perfumeの新コレクションについて。

今回"INTO THE LAYERING"というコレクションで9種類ものフレグランスが発売された模様。(Fragranticaには"Minimal Collection"とあるが詳細な情報は得られなかった)

 

ウッディ―基調の"Into the Woods"

シトラスやフルーティノートがメインの"Into the Joyful"

フローラルな"Into the Floral"

甘いスイーツ系の"Into the Gourmand"

各2種類ずつに、フレグランスエンハンサーの"Into the Layering Blanc-a-Porter"で全9種類。

これらを好きにレイヤリング(重ね付け)することで自分だけのパーソナルな香りを楽しめる、というわけだ。

フレグランスエンハンサーはムスク系の肌に馴染む香りで、喧嘩せずにほかの香りをブーストしてくれるような効果がある。同じようなコンセプトだとEscentric MoleculesのMolecule 01やJuliette Has A GunのNot A Perfume等。このタイプのプロダクトがZARAのようなファッションブランドから出ると思わなかったので、驚き。

 

発売日に店頭で一通り試したファーストインプレッションは、

正直に言うと「単品で使うにはちょっと物足りないけどレイヤーするには主張が強い。」

一つひとつがしっかりとした香調を持っているけれども少し平坦なのと、Womens Collectionだけあって全体的にちょっと甘めなのでレイヤーしてもそこまで変化が感じられない気もする。

これ、ユニセックスとしてもっと広い種類で展開したら面白いんじゃないかと思ったけれど、ZARAはWomen'sとMen'sで売り場が分かれているから難しいのか。

個人的にはInto the Joyfulの"Les Heures Passent"がヒットだったけれど、他コレクションの方が好きだったので購入は見送りました。

9種類もあるので難しいことは考えずに一通り試せば好きな香りに出会えそう。シンプルで手に取りやすい女性用香水を探してる方は要チェックかと思います。

 

また、香水好きが注目しているのは…

 

もうすぐ発売と思われる、新作メンズコレクション。

ウードを基調とした4種で、すべてアルベルト・モリヤス監修という豪華すぎるラインナップ。EU/USでは既に発売されているので日本でのリリースも近いんじゃないかと勝手に予想しています。楽しみ。