大好きなトムフォードのフレグランスの中で一番先に手に入れたのがヴェルベットオーキッド。以前一瞬だけ入会していたオンラインフレグランスSubscriptionサービスで手に入れたミニボトルのものです。
もとよりブラック・オーキッドに惚れ込んでいたのですが、「こんな艶やかな香りは私にはまだ手が届かない…!いつかこれが似合う人間になるぞ!」と買わずに憧れの一本に。
ブラックオーキッドの方はいつかフルサイズを買うと信じて疑わなかったので、気になっていた新作のヴェルベットオーキッドを購入するに至ったという(けっしてヴェルベットオーキッドなら私が使いこなせるというわけではない、こちらも濃厚でセクシーな香り。)
Tom Ford - Velvet Orchid
香調…
トップ:ベルガモット、マンダリン、ラム、ハニー
ミドル:ジャスミン、ローズ、オーキッド、オレンジブロッサム、マグノリア、ヒヤシンス、スイセン、ヘリオトロープ
ラスト:ペルーバルサム、ラブダナム、サンダルウッド、ミルラ、スエード、バニラ
調香師:Yann Vasnier, Calice Becker, Shyamala Maisondieu, Antoine Maisondieu
トムフォードのシグニチャーシリーズはどれもボールドでコンプレックスだ。このヴェルベットオーキッドも、蘭やバラにジャスミンなんかをかきあつめて蜂蜜と高級なラムに浸したものをぐつぐつ煮込んでいるような、どこかウィッチクラフトのような香りがする。ブラックオーキッドにあるトップのスパイシーさは無くこちらはフローラルなので、付けたてによりまろやかな印象があると思う。
子供のころユリのような強い香りの花に顔を近づけて、わっヘンな香り、と思いつつも何度も確かめるように嗅いで、知らぬうちに虜になってしまった、みたいな中毒性がある。
(via: Fragrantica.com)
以前お仕事で知り合った女性がこの香水をつけていました。それがなんとも優しく、可憐フローラルの香りだったもので一瞬、違う香水か?と思ったのですが、やはりヴェルベットオーキッドでした。
その女性は40代半ばで、メイクも服装もゴージャスな、妖艶という言葉がしっくりくるルックス、けれど言葉遣いや仕草は繊細で物腰も柔らか…といったまさにオトナの女性。要するにこの香水を完全にモノにしているんですねー。彼女の一部という感じ。
一方私がつけると、香り自体は良いのですが「見て!私、ミステリアスでしょ、いいオンナでしょ?!」と主張の激しい、押し付けがましいような印象になるんです。服ならぬ、香水に着られている。
香水を自分の香りにするというのはこういうことか、と理解した瞬間でした。
自分が成長したな、と思った時に引っ張り出してまたつけてみよう。